開国の父 老中・松平忠固
【144】アメリカ最初の公式使者、ビッドル参上≫
ペリーの前任者が開国要求
日本人漂流民を救ってくれたクーパー船長のマンハッタン号が浦賀を出た翌年、2隻の船が浦賀にやってきます。
今度は商船ではありません、軍艦です。
しかも、東インド艦隊司令長官ジェームス・ビッドル率いる艦隊でアメリカの公式使節です。
つまり、ビッドルはペリーの前任者であり、ペリーと同じく開国要求します。
ソフトなビッドルの失敗がペリーのハードさを
阿部政権は当然のごとくオランダに対するのと同じ返答、通商拒否をします。
ただこの時のアメリカは、クーパー船長と同じく「アメリカは新興国であり友好的」ということを前面に出し、敵意を出さないばかりか船にも役人はおろかそこらへんの庶民まで百人以上を乗船させました。
このソフトな対応が大失敗したために、後任者のペリーは正反対のハードな砲艦外交を行うことになるのです。
この事件のポイントは、これを知る政権内部や浦賀の役人、そして地元の人々はアメリカに恐れを抱いていなかったし、日本の大筒を撃っても無駄なのは知っていたので落ち着いていた、ということ。
そして、なんとビッドル率いる艦隊がやってくることをも、オランダが日本に既に知らせていたことです。
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