開国の父 老中・松平忠固

【854】第4話 B2 『ペリー艦隊、江戸湾を前進』≫

○江戸城・老中部屋
忠優、阿部ら老中陣が集まっている。
牧野「浦賀に戻れと言っても頑として聞きませぬ。それどころか江戸へ乗り込み、そしてもてなせ、とのこと」
乗全「受け入れますか」
阿部「いや、それは断じてできん。江戸への侵入を許すなどそれだけは断じてできん」
そこへドーンと大砲の音。
あきれ顔の牧野。
牧野「・・・。おそらくあれも空砲であろう。一昨日の空砲はなんでもきゃつらの暦では2月22日、メリケン国建国の父ワシントンの誕生日を祝う祝砲とか」
乗全「一昨日のか・・・。それにしても126発も放つとは。まさしく脅しに過ぎぬではないか。それに今日のも」
牧野「たしかになめられておりますな」
阿部「・・・」
忠優「・・・」
しばらくの間。
ドーンと大砲の音。
阿部「応接場所は浦賀か別の場所か、条約を結ぶとすればメリケンかオロシアか、港を開くか否か、通商まで認めるか否か・・・。これら難題をこの数日で決めねばならぬのか」
忠優「・・・」
乗全に伝令が入る。
乗全「なにー」
皆に向き直り
乗全「メリケン艦隊が動き出しましたぞ。横須賀・夏島沖からこの江戸に向かって接近中とのこと」
牧野「な、いま浦賀で林大学頭らが交渉してるはずじゃ・・・」
カンカンカンと遠くから早半鐘が打ち鳴らされている。
忠優「阿部殿、こうなったら香山を使う。すぐに艦隊に着けさせられる。交渉地はもはや浦賀にはなりますまい。お任せ頂いてよろしいか」
強い決意の表情で阿部を見る忠優。
阿部「・・・。お願いするでござる」
頭を下げる阿部。
立ち上がる忠優。
忠優「香山へ伝令急げ。それに横浜警護の松代藩軍議役・佐久間象山と浦賀の井戸対馬守へも走らせろ」
庭の伝令へ書状を渡す忠優。

 

 

 

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