開国の父 老中・松平忠固

【869】第5話 B1 『陰謀』≫

○老中部屋
阿部、牧野が膨大な書類をチェックしている。
牧野、その中から一通の書状に目が留まる。
牧野「ん?、これは」
本郷が直弼から受け取った書状。
牧野「間違ってござるぞ。上様への書状が阿部殿宛に来ている」
阿部、牧野の言葉に反応する。
阿部「間違えた?本郷が?」
牧野からその書状を受け取る阿部。
書状の裏を見ると『井伊掃部頭』の文字。
阿部「井伊掃部頭・・・」
書状をあけ確認する阿部。
阿部「!」
その内容に驚愕する。
牧野「本郷がそのような簡単な間違いをするとは珍しいな」
と、阿部が表情が険しくなっているのに気づき、
牧野「伊勢殿、いかがされた。その書状はいかなる内容ですかな」
阿部、平静を装い、
阿部「いえ、大したことではありませぬ。ところで本日は忠優殿はいかがされておりまする?」
牧野「伊賀殿は先ほど掃部頭殿に呼ばれたとかで大森の陣中に行っておりまする」
阿部「掃部頭のところへ・・・」
阿部、一抹の不安がよぎる。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

開国の父 老中・松平忠固

PAGE TOP

© 開国の父 老中・松平忠固史 2024 All Rights Reserved.