開国の父 老中・松平忠固

【941】第9話 D1 『床下の細工』≫

○江戸・愛宕山
ハリスら上府の一行が東京港区芝にある愛宕山を上っている。
『安政4年(西暦1857年)10月14日』
頂上に着き籠から出てくるハリスら。
『愛宕山』
ハリス「ようやく着いたか」
ヒュースケン「ここですな、江戸の街を一望できる所というのは」
歩きだし展望場所から眼下を見る。
ハリスら「おお」
ハリスら驚愕する。
見渡す限り広がる江戸の街。
ハリス「こ、これが・・・」
ヒュースケン「は、端が見えない・・・。これならたしかに百万人が住んでいるかもしれない」
ハリス「これが江戸か」
にやりとするハリス。

 

○江戸城・将軍の間
家定が忠固と謁見している。
家定「何度言われても余はやらんぞ。そんな面倒なことは堀田なりそちなりがせい」
忠固「そういう訳にはまいりませんが、今日はやらなくてもいい、というお話です」
家定「なんじゃと」
忠固「メリケン総領事との面会において、上様はただお座りになられていれば結構です。口上は代弁者が執り行います」
家定「ほう。ただ座っておるだけとな」
忠固「はい。足を踏み鳴らす合図をして頂ければあとは全て代弁者が」
家定「なるほどのぉ。それはよい。余も口上が面倒じゃったのじゃ。それは楽じゃ」
ほっとする家定を見て、微笑む忠固。

 

○江戸城・謁見の間
床下に隠し部屋を作っている。
脇で井戸・水野が話し合っている。
井戸「ここで上様の代わりに代弁が口上を述べるというわけだな」
水野「はい。万が一にも失敗があっても行けません。万全を期し、上様にはそのまま座って頂くだけ。まぁ上の方々も、上様自らお話になる必要はないということで問題はございますまい」
井戸「さすが交渉時に屏風の陰からささやく『屏風の水野』と呼ばれるだけあるのぉ。まさか上様まで対象者になるとは。はっはっは」
水野「ハリスまでは距離もあります。全く感ずかれる心配もないでしょう」

 

 

 

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