開国の父 老中・松平忠固
【824】第2話 B4 『アメリカの要求に対し』≫
○小石川・井戸浦賀奉行役宅
手前に浦賀奉行・井戸弘道が香山から報告を受けている。
奥には、阿部、忠優、牧野、乗全の老中陣や井戸覚弘、若年寄陣がその様子を見ている。
香山「以上、きゃつらの目的はメリケンのプレジデントの親書を上様に進呈することであり、受け入れなければ武力をもって上陸し、受け取らせる、などと言っておりまする。我らは言うまでもなく断固拒否し、長崎に行くように申しておりますが・・・」
弘道「長崎へ行けなどとはもっての他である。メリケンから使者が来ることは以前より承知しておる」
驚く香山。
香山「ど、どういうことです」
弘道「オランダより通達があったのじゃ、メリケンが大艦隊を引き連れて来襲するとな」
ざわつく場。
香山「し、知っておられた、知っておられたのになぜお知らせ頂けなかったのか。秘密にしておられたとは嘆息の限り」
一同「・・・」
上役一同は皆知っていたので、何も言えない。
弱り顔の弘道。
弘道「香山よ、そう言うな。こちらも困っておるのだ」
阿部「・・・」
忠優「3日後・・・、6月7日までに結論を出せ、と申しておるのだな」
香山「はい」
一同「・・・」
沈黙。
阿部「分かった。7日までには必ず指示を出す。それまでそちは逐一艦隊を見張れ」
香山「はっ」
下がっていく香山。
一同「・・・」
重苦しい空気の場。
そこへまた伝令が入ってくる。
使い「申し上げます。水戸御老公が危急の要件で面会されたし、とのことでございます」
顔を見合わせる阿部、忠優、牧野、乗全。
乗全「これは・・・、陸からも黒船がやってまいりましたな」
忠優「・・・」
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