開国の父 老中・松平忠固

【833】第3話 A1 『ロシア来航』≫

○長崎港
高台から臨む美しい長崎港。
船がたくさん停泊している。
扇の形をした出島が見える。
『長崎』
湾口に接近する蒸気船1隻を含む4隻の外国艦隊。
N「嘉永6年(西暦1853年)7月18日、エフィム・プチャーチン提督率いるロシア艦隊4隻が長崎に来航した。それはペリー艦隊から遅れることわずかひと月後のことだった」
投錨しているロシア艦隊。
艦隊にはロシア国旗。

N「西洋との歴史を遡ると、西暦1543年にポルトガル船が初めて日本に来航した当初、時の統治者であった織田信長・豊臣秀吉・徳川家康は基本的に南蛮貿易を推奨した」
ポルトガル船が種子島に上陸する図。
フランシスコ・ザビエルの肖像。
信長・秀吉・家康の肖像。
N「いわゆる『鎖国』が完成するのは、徳川第三代将軍家光の治世である西暦1673年のことで、以降西暦1778年ロシア人商人が蝦夷松前藩に到着するまで100年以上、オランダ以外の西洋船の来航は途絶えることになる」
イギリスやスペイン国旗を掲げる船たちが退去させられている。
唯一陸上ではためいているオランダ国旗。
N「それ以降はペリー来航まで毎年のようにヨーロッパの船が来航して来るわけだが、幕府が国防を強く意識するようになったのは西暦1806年に起きたレザノフ事件である」
幕府の番屋が襲撃されている。
家々が焼かれている。
幕府役人が捕縛され、連行されている。
N「これは通商を求めて来航したロシア外交使節ニコライ・レザノフが通商を拒絶された報復として樺太や択捉島など北方における日本側の拠点を部下に攻撃させたもので、以来、幕府はロシアには直接、脅威を感じてきたのだった」

 

○出島
扇形をしている出島。
はためくロシア国旗。
ロシア艦隊4隻が海上に停泊している。

 

○同・会見所
ロシア人と日本側役人が対峙している。
長崎奉行として赴任している水野の姿もある。
T『エフィム・プチャーチン』
通訳「ロシア帝国海軍中将・エフィミー・ヴァーシリエヴィチ・プチャーチン・・・殿とのことです」
水野「そのロシア帝国がいったい何の御用か。貴国とは通信の関係にはないはずだ。水や薪は享受しよう。荷を積み込み次第、至急立ち去ってもらいたい」
プチャーチン「わがロシア帝国は貴国と条約を結びたいのです。あくまで平和的に、イギリスやアメリカのように武力によって恫喝するのではなく、です。考えてみて下さい。我々はあなた方の希望通り長崎にやってきて、こうして長崎で交渉をしているではありませんか。対するアメリカは貴国の要求に従わず江戸の近くまで軍艦を乗りつけ、あまつさえ大砲で威嚇して、自らの要求を飲ませようとしています。どちらが真に友好国かは火を見るより明らかでしょう」
プチャーチンの温和な交渉に表情も和む日本の役人達。
水野「・・・」
一人慎重な顔の水野。

 

 

 

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