開国の父 老中・松平忠固

【847】第3話 D3 『ペリーが再航を早めた理由』≫

○香港・全景
コロニアル風の洋館が立ち並んでいる。

 

○洋館・外観
建物群の中の中心にある洋館。
ジャーディンマセソン社の看板。

 

○洋館・一室
外灘が一望できる一室。
ペリーとウィリアム・ジャーディンが座っている。
参謀長のアダムスとコンティ大尉が立っている。
ペリー「その後、ロシアのプチャーチンの状況はいかがですかな」
ジャーディン「現在上海に補給のため寄港しているようです。我らジャーディンマセソンの情報によると、どうやらロシアも国書を日本側に受領させたとのこと」
アダムス「なんと」
ジャーディン「おそらくまたすぐに日本に向かうことでしょう」
ペリー「むおう」
アダムス「提督、こうしてはいられません。我らが付けた先鞭をロシアにさらわれることになります」
机に指でトントンと叩き考え込むペリー。
そこへノックの音。
声「私です。ケズウィックです」
ジャーディン「待っていたぞ。入れ」
入ってくるウィリアム・ケズウィック(20)。
ジャーディン「これは私の姪の子でウィリアム・ケズウィックです」
皆と握手するケズウィック。
ケズウィック「最新の情報です。ペリー提督は先日お会いしたそうですね、フランスのド・ブールブロン公使とド・モンラヴェル提督と」
ペリー「ああ、奥方がアメリカ人の」
ケズウィック「先週P&Oの郵便船が来航してから、すぐ行先も告げずに艦隊もろともいなくなってしまいました。何が起きてると思います?」
ペリー「?」

アダムスとコンティも首を振る。
ケズウィック「クリミアでロシアとトルコが開戦しました」
ペリー「なんですと!」
ケズウィック「トルコは早速フランスに支援を求め、フランスも参戦。おそらくフランス艦隊が向かった先は上海。ロシアのプチャーチン提督を補足するためでしょう」
ペリー「・・・」
アダムス・コンティ「・・・」
ケズウィック「対ロシア、ロシアの南下阻止ということで、極東地区においてもフランスは日本との条約締結に乗り出すようです。プチャーチンを補足後そのまま日本へ条約締結交渉に向かう可能性が高い」
アダムス「ど、どうしたら・・・」
ペリー「貴国は、大英帝国はどうなのです?」
ケズウィック「まだ様子見のようです」
ジャーディン「現在のアバディーン内閣は連立政権だ。ロシア寄りトルコ寄りの閣僚で足並みが乱れているのでしょう」
考え込むペリー。
ペリー「アダムス、レキシントン号はまだか」
アダムス「はい。間もなくかと思いますが」
ペリー「コンティ、艦隊の状況はどうだ」
コンティ「提督が要請した12隻の艦隊編成は難しく10隻なります。旗艦サスケハナ・ミシシッピーは良好、新たに到着した最新艦ポーハタンはエンジンとボイラーに不具合がありますが復旧可能、マケドニア・バンダリア・サラトガ・プリマス・サプライ・サザンプトンはいずれも良好」
ペリー「1,2隻はマーシャルの為に上海に残さねばなるまい」
アダムス「その件ですが、蒸気船クイーン号を月500ドルで6か月チャーターしました。充分な武装をし、ミシシッピー号のアルフレッド・テイラー大尉に指揮を委ねようかと」
ペリー「よし、レキシントンが到着次第、すぐに出航する」
立ち上がるペリー。
アダムス・コンティ「はい」
ペリー、ジャーディンとケズウィックと握手して部屋を出ていくペリー。
ジャーディンとケズウィック、ニヤリとする。

 

 

 

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