開国の父 老中・松平忠固

【907】第7話 C3 『老中更迭』≫

○江戸城・外観
『安政2年(西暦1855年)8月4日』
声「上意である」

 

○同・大広間
下座で座っている忠優と乗全。
通達者から忠優と乗全に対し上意が下逹されている。
通達者「松平伊賀守忠優、並びに松平和泉守乗全を老中より罷免する」
無表情で平伏する忠優と乗全。
横にいる牧野、久世、内藤の老中陣。
首座の席に阿部はいない。
牧野、隣の空席の阿部の席を眺め、さみしそうな顔。
牧野「・・・」

 

○江戸城・外観
声「更迭!?」

 

○同・廊下
バタバタと茶坊主や小姓たちが走り回っている。
茶坊主が上役に報告している。
茶坊主「伊賀様、乗全様、御老中更迭」
別の小姓が上役に報告している。
小姓「伊賀様と乗全様が御老中を更迭されました」

 

○同・勘定部屋
石河政平と松平近直。
石河・近直「なにー」

 

○町奉行所
井戸、報告を受けて。
井戸「なんだと」

 

○江戸城・執務室
報告を受ける堀、岩瀬。
堀「ほんとうか、それは。本当だとすると阿部様は何を考えている。伊賀様を切ったというのか」
岩瀬「まさか阿部様が伊賀様を切るなんて考えられないが・・・」

 

○道
早馬が走る。

 

○下田奉行所
『下田奉行所』
井上と水野がその報を聞いている。
井上「来年にはここ下田にメリケンの駐在員がやってきます。そのような時期に伊賀様がいないなどありえません。断固阿部様に上申しなくては」
水野「阿部殿は自らの右腕を切り落としたも同然。このままではまずいぞ」

 

 

 

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